日本流行部

平館レポート(デザイン未)


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チケット販売業界を変えたイープラス社長の事業構築の着眼点は地域活性を考える人にもいいヒントになるのでは?

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その昔、私はコンサート(昔は、ライブとは言わずコンサートって言っていましたね…)に行きたいなと思ったとき、即座に、こんな風に思いました。

「行きたいけど、チケットを取るのが面倒なんだよね、人気のアーティストだから取れないかもしれないし。たぶん予約の電話もつながらないでしょ。お店に並ぶのも嫌だし。でも、誰かが代わりにチケットを取ってくれたら、行きたい!」なんて。

繋がらない電話なんか延々しなくても、会員登録をして予約をすれば、代わりにチケット入手をやってあげるよ。もしも欲しいチケットが取れたら、チケットを取ってあげた手数料とチケット代金払ってね、というイープラスから生まれたインターネットを利用した会員制のプレオーダーの仕組みの登場で、チケット業界は大きく変貌しました。

橋本社長は、新卒で西武百貨店に入社し、その後36歳の時にチケットセゾンを立ち上げ、エンタメ業界の良さも、チケット販売事業の難しさも知り尽くした後、51歳で今のイープラスを起業されました。

実は、橋本社長は、私の元上司。

私は、かつてこれほどバイタリティのある上司に出会ったことがありません。

今回は、新しい発想を形にし続け、成功させていく橋本社長のところへ、東京流行部、神奈川流行部メンバーも引き連れ、事業成功の秘訣を伺いに行ってまいりましたよ。

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インタビュー会場は、渋谷にあるイープラス直営のリビングルームカフェ。後ほど、ご紹介しますが、これも橋本さんのアイデアが事業化されたものなんですよ。

◆橋本さん、今日はありがとうございます。橋本さんは、昔からパワフルですし、どんどん新しい発想を形にして成功していきますけど、これから自分が何かできることで日本を盛り上げていきたいと思っている方、そして久しぶりに元部下の私にも、この新規事業を盛り上げていくにあたりアドバイスをもらえませんか?

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一番はさ、ブレないことだと思うんだよ。自分がずっとやり続けてきて蓄積されているジャンルって、すごく人より詳しくなっていくじゃない?その圧倒的に得意とするジャンルに絞ってやり続けることだね。

 

◆“ブレない”。私も、それは、すごく大事なことだと思っています。核があるっていうか、芯があるっていうか、その1本通ったものがない人は、起業したり、何かのリーダーとなって多くの人を率いていくのは向かないですよね。

 

よくね、これやると儲かりますよ、っていう儲け話が好きな人っているでしょ。そういう人は、儲けられれば何でもいいって感じで、業種業界への興味があちこちにいくよね。

けれども、どんな閃きがあってもね、あるジャンルや業界を自分はよく知っているんだっていうベースとなるものがなければ、自信につながらないし、やり続けて儲けていくことなんかできないからね。だからやはり勝負するなら自分が詳しいジャンルであることは必須だよね。

僕も、チケット業界に関しては、長い間関わってきたから、この業界のことなら何でも知っているっていう自信があったから、イープラスを立ち上げたわけだしね。

当時、チケット販売に関しての現状の仕組みも、頭打ちになっている部分も、既存の企業ができていないサービスに関してもわかっていたし、何ができなく、何が可能かもわかっていた。だからね、あえて業界のタブーを破るイープラスの事業モデル(ネットで無料会員制、登録してもらえばこちらからメールで連絡し、チケットが取れたらチャージをいただく)を思いついたときに、これは、イケるっていう感覚を強く持った。

 

◆確かに、自分のプランがその業界で圧倒的に勝てるかどうかもシミュレーションもできないような状況で事業を立ち上げるなんて、ギャンブルみたいなもんですものね、そんな起業は失敗確率が高そうです。でも、自分が経験した詳しい業界で起業する人もたくさんいるのに、その多くの人がうまくいかない、この現実に関しては、どうお考えですか?

 

詳しいことと、業界ルールに縛られるのが別だということをわかっているかどうかだと思うね。

業界ルールにどっぷりつかり、そのルールや常識とされてきたことに縛られて客観的にモノが見られなくなっているのもダメなんだよね。

常に視点を客観的に、サービスを利用するお客様目線でものが考えられるかっていうことが大事。業界事情に誰よりも詳しくありながらも、その状況を客観的に見ることができる視点も持ち合わせている、こういう人が意外と少ない。だから、なかなか成功する人が出てこないんじゃないかな?

 

◆確かに。橋本さんは、チケットセゾンを立ち上げ、長く同じ業界にいたのにも関わらず、チケット販売事業の常識や業界ルールに縛られない発想ができたからこそイープラスの事業モデルが生まれたわけですし、成功を収められたのですものね。他には何か成功の秘訣はありますか?

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事業モデルを色々思いつく人はけっこういると思うけど、それを実行に移して実現していく人って実はすごく少ないよね。色々シミュレ―ションばかりして、なかなか動き出さない。

でも、この実行力が生まれるのは、やはりこのジャンルに自分は詳しいんだという自信と、あとは、やはりそこに興味があるかどうか。だから、儲かるかどうかが先だと成功までたどり着く前に諦めちゃうか、飽きちゃうかなんだと思うんだよね。興味や関心が強く持てるジャンルじゃないと継続できないからね。

 

◆経験、詳しさ、そして関心と興味…確かに、それは、事業を成功させるために必須事項だと思います。でも、例えば、雑誌の編集者なんかが独立すると、たいてい、経験、詳しさ、そして関心のある、編集プロダクションや出版社などを立ち上げ、雑誌創刊とかやりますよね?その、ほとんどがうまくいかない。それは、何がいけないのでしょうか?

 

もうひとつ重要なことがあるんだよ。それは、ものまねじゃないってこと。2番煎じで起業しても、1番には負けてしまうからね。だいたいそういうのって、仕組み的にものまねでしょう。同じ出版事業でも、後発で成功しているベンチャーなんかは、同じやり方はしていない。出版業界を知り尽くしているからこそできる、他にはない新しい出版事業モデルを立ち上げているからね。一番にやらないとダメなんだよ、たとえ、無謀だとか、業界のルールから逸脱しているとか言われても、これだと思ったらその閃きを信じて、最初にやらなくちゃ成功は難しいだろうね。

 

◆イープラスは、まさに、起業当初、業界初のチケット販売の仕組みを取りましたものね。チケット販売に関しては現在の同業他社より後発で参入したにも関わらず、現在圧倒的に強いブランドになっているのは、最初に斬新な仕組みを取ったからこそですね。どうせやるなら、ものまねではない思い切った戦略を、誰もやらないうちに最初にやることですね。それには、相当の覚悟と勇気がいりますが(笑)。私も起業家として見習いたいです。
さて、橋本さん、この素敵なカフェについて教えてください。しかも、このお店スポンサードじゃなくて直営なんですってね。どんな経緯で、イープラスが飲食店経営をすることになったんですか?

 

昔と違って今は、CDの販売数が減少し、アーティストの軸足がライブに変わってきているのだけど、売れているのは、ほんの一部のアーティスト。その他の人たちは、出演できるようなライブハウスも限られているし、食べて行けなかったりもする。なかなか売れていくきっかけとなる場がないんだよ。

イープラスとしては、チケットを販売するという事業から、さらには、出演するアーティストを支援する場を作ったり、ライブの良さを、もっと多くの人に身近に感じてもらえたらいいなという思いから、こういう場を作ったんだよね。単なるチケット販売事業ではなく、エンターテインメントのライフスタイル提案をしていきたいと思ってるからね。

 

◆ライブに行くぞ!と気負わなくても、フラッと好きな時に気軽に音楽を生で楽しめる感じがいいですね。今までライブハウスとかには行ったことのないような人なんかも、友人に誘われて食事に行ったら、生で聴く音楽っていいね、ってなって、今度ライブ行ってみようよと自然になりそうですね。

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ここではね、日曜日には、サンデー・ブランチ・クラッシックという企画をやっていて、日曜の朝にブランチ食べながらクラシックを生で聴けたりするの。クラシックって敷居が高いなと感じる人もいるかもしれないけど、ブランチしながら聴けるっていうと入っていきやすい。

自然に、気軽に、エンターテインメントを体験することができるカフェは、アーティストにとっても、自分の音楽を多くの人に知ってもらえるチャンスとなるし、新しいファンを獲得できるきっかけにもなる。

 

◆なるほど、イープラスが飲食店?って、最初は思ったけれども、さすが、橋本さん、ブレてない!(笑)

 

出演アーティストの方にはね、ライブのある時間帯にライブゾーンにいるお客様からいただいたミュージックチャージ300円、サンデー・ブランチ・クラシックはミュージックチャージ500円と、全てのエリアにお越しいただいたお客様に、お気持ちでいただいたチップなんかもこちらで預かって全額渡しているんですよ。

 

◆ミュージックチャージが、300円とか500円とかなら、聴きに来る人にも、全然負担じゃないし、むしろ毎週色々なライブを楽しむのもいいかなとも思えますね。それにしても、そのミュージックチャージ、全額アーティストにお渡しするんですか?イープラス側が会場提供や運営をしているわけだし、ちょっともらったりしないんですか?

 

もらわない。そこは、全額お渡ししています。このカフェをオープンさせたのは、アーティストを支援していくという想いもあってのことだからね。

 

◆これって、出演アーティスト、お客様、店舗側、そして、エンターテインメントのライフスタイル提案をしていきたいイープラス、みんながハッピーになれるような事業構造になっているんですね。素晴らしいコンセプト、そして、昔からやる気のある人を応援して場を与えてきた橋本さんらしい事業ですね。

かつて、私がセゾングループの出版事業部で橋本さんの部下だった頃、やる気だけはあったけど、何の実績も経験もなかった私に、編集者として活躍するチャンスをくれたのは、橋本さんでしたし。あれから20年くらいたってもそのスタンスは全然変わらないんですね。

 

あははっ、そんなこともありましたね。
平舘は、「私に、この仕事をやらせてください!!」って一生懸命だったからね。

 

◆はい、編集者として活躍したかったんです、やらせてもらえれば、絶対に頑張るって、仕事を与えてもらえるよう、チャンスをもらえるよう、当時必死でしたし、それはもう一生懸命でしたよ。
今は、そんな私も仕事を与えるほうになっています。
これからは、やる気のある若者に対して、橋本さんのように、道を開いてあげられるような上司でありたいと思います。

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このインタビューのあと、ライブエリアの方に席を移して、私たちもライブを聴かせていただきました。

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店内は、相当広く、様々なエリアに分かれています。

アーティストが友人を招きもてなすリビングルームがコンセプトのこのお店は、渋谷とは思えない、大人の空間が広がっていました。

ライブにあまり普段行かない方、まずは、気軽に体験できる、リビングルームカフェへぜひ、行ってみてね!

相変わらずのパワフルさ、鋭い着眼点、そして誰かを支援していこうという懐の深さに、改めて尊敬の念を抱きました。

たまに、橋本社長も、このカフェにふらりとやってきたりするそうです。渋谷にお越しの際は、ぜひ、行ってみてね。お見かけしたら、お声をかけてみては!?

 

株式会社イープラス http://eplus.jp/sys/main.jsp

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◆取材場所◆

リビングルームカフェ https://livingroomcafe.jp/

東京都渋谷区道玄坂2-29-5渋谷プライム5F

TEL 03‐6452‐5424

営業時間:11:30〜24:00(LO 23:00)日曜・祝日〜22:00(LO 21:00)

※祝前日は通常営業